芥川龍之介の俳句

元日や手を洗ひをる夕ごころ     龍之介

がんじつや ておあらいおる ゆうごころ)

春寒や竹の中なる銀閣寺     龍之介

はるさむや たけのなかなる ぎんかくじ)

帰らなんいざ草の庵は春の風     龍之介

(かえらなんいざ くさのいおりわ はるのかぜ

春雨の中や雪おく甲斐の山     龍之介

はるさめの なかやゆきおく かいのやま)

松かげに鶏はらばへる暑さかな     龍之介

(まつかげに とりはらばえる あつさかな)

青蛙おのれもペンキぬりたてか     龍之介

あおがえる おのれもぺんき ぬりたてか)

湯上りの庭下駄軽し夏の月     龍之介

(ゆあがりの にわげたかるし なつのつき)

小兎も片耳垂るる大暑かな     龍之介

(こうさぎも かたみみたるる たいしょかな)

蝶の舌ゼンマイに似る暑さかな     龍之介

(ちょうのした ぜんまいににる あつさかな)

水さつと抜手ついついつーいつい     龍之介

みずさっと ぬきてついつい つーいつい)

秋風や嵯峨をさまよふ蝶一つ     龍之介

あきかぜや さがをさまよう ちょうひとつ)

月清ら清らに匂ふ落葉かな     龍之介

(つききよら きよらににおう おちばかな)

初秋の蝗つかめば柔らかき     龍之介

はつあきの いなごつかめば やわらかき)

人去つてむなしき菊や白き咲く     龍之介

(ひとさって むなしききくや しろきさく)

あかつきや蛼なきやむ屋根のうら     龍之介

(あかつきや こおろぎなきやむ やねのうら)

しぐるるや堀江の茶屋に客ひとり     龍之介

しぐるるや ほりえのちゃやに きゃくひとり)

癆咳の顔美しや冬帽子     龍之介

(ろうがいの かおうつくしや ふゆぼうし

胸中の凩咳となりにけり     龍之介

(きょうちゅうの こがらしせきと なりにけり)

木枯らしや目刺にのこる海の色     龍之介

こがらしや めざしにのこる うみのいろ)

水洟や鼻の先だけ暮れ残る     龍之介

みずばなや はなのさきだけ くれのこる)

木がらしや東京の日のありどころ     龍之介

こがらしや とうきょうのひの ありどころ)

落ち葉焚いて葉守りの神を見し夜かな     龍之介<小学4年生>

おちあばたいて はもりのかみを みしよかな)

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最高に好き(☆☆☆)かなり好き(☆☆)好き(☆)どちらともいえない好きではない(★)俳句の意味が分からない
人去つてむなしき菊や白き咲く
あかつきや蛼なきやむ屋根のうら
蝶の舌ゼンマイに似る暑さかな
元日や手を洗ひをる夕ごころ
木がらしや東京の日のありどころ
松かげに鶏はらばへる暑さかな
水さつと抜手ついついつーいつい
帰らなんいざ草の庵は春の風
しぐるるや堀江の茶屋に客ひとり
青蛙おのれもペンキぬりたてか
落ち葉焚いて葉守りの神を見し夜かな
小兎も片耳垂るる大暑かな
初秋の蝗つかめば柔らかき
湯上りの庭下駄軽し夏の月
癆咳の顔美しや冬帽子
水洟や鼻の先だけ暮れ残る
胸中の凩咳となりにけり
春寒や竹の中なる銀閣寺
木枯らしや目刺にのこる海の色
月清ら清らに匂ふ落葉かな
秋風や嵯峨をさまよふ蝶一つ
春雨の中や雪おく甲斐の山