室生犀星の俳句

としよりの居眠りあさき春日かな     漁眠洞

(としよりの いねむりあさき はるひかな)

春雨や朽木にやどる蝶一つ     漁眠洞

はるさめや くちきにやどる ちょうひとつ)

春待つや生きのびし人の息づかい     漁眠洞

はるまつや いきのびしひとの いきずかい)

うすぐもり都のすみれ咲きにけり     漁眠洞

(うすぐもり みやこのすみれ さきにけり)

青梅の臀うつくしくそろひけり     漁眠洞

あおうめの しりうつくしく そろいけり)

蝉一つ幹にすがりて鳴かずけり     漁眠洞

せみひとつ みきにすがりて なかずけり)

炎天や瓦をすべる兜蟲     漁眠洞

えんてんや かわらおすべる かぶとむし

ひとりねの枕にかよへ秋の風     漁眠洞

(ひとりねの まくらにかよえ あきのかぜ

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