寺山修司の俳句

雲雀あがれ吾より父の墓ひくき     修司

ひばりあがれ われよりちちの はかひくき)
 

夜濯ぎの母へ山吹流れつけよ     修司

(よすすぎの ははえやまぶき ながれつけよ)
 

便所より青空見えて啄木忌     修司

(べんじょより あおぞらみえて たくぼくき
 

方言かなし菫に語り及ぶ時     修司

(ほうげんかなし すみれにかたり およぶとき)
 

他郷にてのびし髭剃る桜桃忌     修司

(たきょうにて のびしひげそる おうとうき
 

花(菊)売車どこへ押せども母貧し     修司

はなうりぐるま どこえおせども ははまずし)
 

秋風やひとさし指は誰の墓     修司

あきかぜや ひとさしゆびわ だれのはか)
 

桃太る夜は怒りを詩にこめて     修司

ももふとる よるわいかりを しにこめて)
 

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