三好達治の俳句

木の間とぶ雲のはやさや春浅き     達治

(このまとぶ くものはやさや はるあさき)

凛として蟷螂は葉をわたりけり     達治

(りんとして とうろうわはを わたりけり)

一つのみ時雨に赤き柘榴かな     達治

(ひとつのみ しぐれにあかき ざくろかな)

人の世の残りの冬を雨の中     達治

(ひとのよの のこりのふゆを あめのなか)

日の照れる石も愛しき二月かな     達治

(ひのてれる いしもいとしき にがつかな)

秋ふかき柱にとまる胡蝶かな     達治

(あきふかき はしらにとまる こちょうかな)

海の藍ざぼんの緑赤とんぼ     達治

(うみのあい ざぼんおみどり あかとんぼ)

拾はれし犬のひるねや冬至梅     達治

(ひろわれし いぬのひるねや とうじうめ)

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